音楽もイメージして編集中

「オオムラサキと図鑑くん」の編集作業が順調に進んでいます。
おおまかにつなげた映像を松永監督とともに確認。ロケではストーリーの順番通りに撮影してはいないので、全部がつながった今、「あの撮影がここでこう生きるのか」などと随所に感動があります!

シーンの切り替わりを少しだけ早くしたり、順序を変えたり、北杜の爽やかな実景を新たに加えたりと、相談を重ねがら細かな修正を加えます。

どうしたらセリフがより生きるか、そのことを皆で考える様を見ていると、以前、大前玲子先生がシナリオ教室で「シナリオは映画に関わる全ての人が従う設計図」と話していたことがこの段階に至っても本当なのだと感じます。

この日は、映画音楽を作曲されるジャズミュージシャンの越智健二さんも同席し、音のイメージを膨らませました。

映像を見て「このあたりから」と言う松永監督に従い、越智さんがその場でパラパラッとピアノを鳴らします。さすが、普段から即興的にジャズを奏でている方! 瞬間的に作曲できることに驚いていると、「考え込んでしまうともうだめなんです」とのとです。
映像をグッと盛り上げる音色に「もう泣きそう」という声も。

越智さんは、23年前に八ヶ岳に引っ越され、富士見のご自宅をはじめこのエリアで時折コンサートもされているそうです。以前、サスペンス映画の音楽を担当されたこともあります。
「今回お話をいただいて、凄く楽しみにワクワクしています。大人っぽくなりすぎないかという怖さもありますが頑張ります」。越智さんの音楽が、また違う角度から映画に変化を付け、魅力を与えてくれることでしょう!

映画の初上映会は11月23日(火・祝)、午前と午後に分けて八ヶ岳やまびこホールで開催します。当日は、越智さんとともに小淵沢在住の歌手、林田由紀子さん、そして北杜高校ギター部というこの日限りの”水の山スペシャルユニット”のライブも行います!

参加申込み受け付けは10月1日、HPにてスタート!
コロナ対策で席数を減らしての開催となりますので、お早めにご応募ください。(参加費無料ですが、お席の確保のためのお申込みが必要です。)

編集作業が始まりました

前作に引き続き、「オオムラサキと図鑑くん」も映像編集の大御所、長田千鶴子さんにお願いしています!

今回の作業場所は、松永監督宅に建てられたばかりの”小屋”。前回の環境とは違い、時間の制約なくこの場を使っていただけるとあり、長田さんの底知れぬ集中力がいかんなく発揮されるのではないでしょうか!?

長田さんは台本を読んだとき、メインキャスト2名でのシーンが多いことから映像が単調になるかもと感じ、アップなどのカットもリクエストしていたそうです。
ロケは雨に見舞われたこともあり、かなり時間的な制約がありましたが、素敵な表情がいろいろと撮られています。


去年ベストなタイミングで撮影してあったオオムラサキの脱皮のシーンも確認し、組み入れていきます。「単に次、次、とつないでいくだけではつまらないものになる」ということで、少しずつ映像をチェックしながらどう組み合わせるかを考えるのが楽しいそうです。

編集助手の中嶋一さんは、今回、アニメーション製作から、ドローン撮影、製作・進行まで映画全体を通して尽力していただいています。
高校生のときに映画の撮影と編集をしたことがあるそうで、「今回あの時と同じようなワクワク感を味わうことが出来ました。シナリオから完成イメージを読み取って、スタッフ全員がそこに向かってぎゅーっと集中していく楽しさは、やってみてこそわかること。贅沢な体験をさせてもらっています」と話していました。

一歩、また一歩と完成に近づいていきます。ある程度の段階まで進んだら、そこから松永監督とともにああでもない、こうでもないと編集についての議論を交わし、音楽を合わせていきますが、それはまだ先。楽しみです!!

 

編集作業を市長が見学

「虎をかぶりて、駆けてく」の編集作業が連日続いています。

長田さんにここまでの編集の感想を伺うと、まずは「大変です」の一言。1回目の映画づくりでもあり、作業場所の変更やソフトの操作の問題が持ち上がって、短編映画の形がだいたい出来た後もまだ骨折り仕事が続いているようです。

長田さんの手元には書き込みがいっぱいの台本が。どのカットを使ったのかを逐一記録してあります。

29分近くになっていた映像を短くしたり、音声を揃えるために見直しをしたり。松永監督は、「ロケ現場で見ているのと、映像になって見るのはまた違うことに気づかされました。映像になると表情の微妙なディテールが見えてくる」と話していました。

この日は、作業場所となっている市役所の一室に渡辺英子市長が訪れました。

キャスト、スタッフともに9割以上が北杜市民であることを受け、「北杜市には素晴らしい人材がいらっしゃることを、驚きとともに知りました。みなさんの惜しみない協力に感謝、感謝です」と市長。

「ここで遅くまで作業してさみしくならないんですか」という市長の問いかけに対し、長田さんは、編集作業は時間との戦いでもあるので夜遅くまで取り組むのも当たり前のようになっていること、映画製作は時間とお金がかかるものだけれど文化的な広がりがあるといったことを話していました。
「こうして夢中になってくれる人がいるから、出来るんですよね。職員は応援だけは出来るけれど」と笑顔の市長。

来年以降の編集場所をどうするかについての話に触れながら、「何をするにも継続していくことが大事ですね」と市長は語り、「多くの人に観ていただきたいですね」と完成をとても楽しみにしている様子でした。

 

 

 

編集作業が進行中です

短編映画「虎をかぶりて、駆けてく」のロケが終わり、撮影した映像の編集作業が進行しています。この編集段階で、映画の良し悪しはまたひとつ大きく変わるのだそうです。
邦画の大御所・市川崑監督から厚い信頼を寄せられた編集のプロ、長田千鶴子さんに手腕を振るって頂いています。贅沢ですね!

ロケ現場にいた人が映像を見ると、あの時はこうだったとか、あのことがあってこうなった、といった裏事情がすぐに頭に浮かびますが、そういった先入観がない視点で、純粋に観客を楽しませる一編の作品に仕上げていくのが編集の仕事。長田さんの長年の経験から来る鋭い判断力が光ります。

この日は、監督が未完成のラッシュを見る日。映像のつなぎ方の細かな点、実景の入れ方や音楽の合わせ方など、決めるべきことは山ほどあります。
音楽は山梨県出身の作曲家・ピアニストの小林真人さんにお願いすることになっています。

一番難しいのは、虎頭の舞の部分だそうです。お祭りの様子を全て使うわけにはいきません。2つの曲があり、それをどのように入れるか。観客の様子をどう挿入するか。音声をどうするか。さまざまな可能性から完成形を探ります。

普段とは異なる特設の仕事場で、いつもは使用しないソフトでの作業に果敢に取り組む長田さん。ちょっとした機器操作のトラブルがあると、それだけで時間がどんどん過ぎていってしまいます。
それにしても連日の長時間の作業にも関わらず、淡々として集中力が途切れる様子がありません。 体に染み込んでいるその仕事への姿勢を目の当たりにするだけでも、プロのかっこよさがじわじわと伝わってきます。

4日間という非常に短期間のロケで撮った映像素材。シーンの繋ぎを考えると、これが欲しい、あのカットを使いたいといろいろなことが出てくるそうですが、時間が許す限り、編集の工夫はどんな風にもできるのだそうです。

より良い作品づくりを求め、労を惜しむ様子がまるでない長田さん。大変な作業がまだまだ続くのでしょうが、完成がとにかく楽しみです!