ロケ最終日は、夏に逆戻りしたような驚くほど暑い日となりました。
ブルーベリー農家の一馬が、晴夏を乗せてトラクターを運転する様子を撮ります。
収穫時期の稲穂が揺れる、のどかな田園風景が広がっています。(おしゃれカカシを発見)
ここでドローン撮影開始。真っ直ぐな農道を行くトラクターと、助手席に乗る晴夏の横顔までを撮れるか、ドローンの操縦をギリギリまで頑張ってもらいました。
虎柄の布をたなびかせて駆けるシーンが素敵です。
こう見えて、前日の虎舞での頑張りのために、かなり筋肉痛の晴夏。痛みを押してドローンよりも速く走ります。(速過ぎ・・・)
ドローン撮影はどうだったのでしょうか?!(出来上がりに期待♪)
軽やかで爽やか! 辛そうな姿は少しも人に見せたくない実里さんですが、実はこの後、一時熱中症気味になってしまいます。だいぶ頑張っていたんですね。
移動中の皆さん。荷台で手を振る齋藤さんは、「皆がいい表情をして映画づくりをしていて、撮影期間中ずっと楽しかったです。きっとスタッフもキャストもいい人が揃ったんですね。撮影をしているうちに、皆が成長していくのがわかりました。自分もこの地域で映画を撮りたい気持ちになりました」と話していました。
いよいよラストシーンの撮影へ。庭木が素晴らしい民家の縁側をお借りします。
素直ではない2人の、心の内は・・・。
「このシーンは、わがままを言ってこだわらせてもらいました」と松永監督。指導に一段と熱が入ります。
言葉少なににじみ出る銀二の思い・・・。
グッとくる表情に、カットの声がかかった途端、「鳥肌が立った」と漏らすスタッフも。
最後に、神社や街道でのシーンの撮影を行いました。日が暮れかけてきましたが、カメラマンの腕に頼って日中であるかのように映像を創り上げます。
一馬役の内田さんの演技が最終日に一番上手くなっているのは、自他共に認めるところ。一般の映画のロケであれば、4日目あたりはエンジンがかかってくる頃だそうですが、残念ながら私たちはこの日が最終日です!!
クランクアップで、監督からキャストに野の花の花束が手渡されました。
一馬役の内田さんは、「本当に大勢の人に関わってもらって、力を貸してもらいました。いい経験でした。映画が出来上がったら(写真右端に写っている市役所観光課職員、堀内さんとともに)多くの人に観てもらえるようにPRして、次につなげていきたいです」と話していました。
「本当にやって良かった!楽しかったです!」と充実感たっぷりに話す実里さん。学校がある東京と実家の北杜市を行き来しながらせわしなく過ごした学生生活最後の夏でした。「ラストシーンが一番緊張したけど、思ったようにできたと思います。でもやっている側と観る側では感想が違うだろうから、11月18日の上映日にはぜひ皆に観に来てもらいたいです」。
他のキャストも含め、配役がぴったりだったと皆で讃え合っていました。
お隣にいるのは、実里さんのお母様で絵コンテ担当のこうのあきさんです。あまりに絵コンテが大量で、引き受けたことを途中で後悔したそうですが、「カット割りのセンスがある!上手い」とプロの視点からも褒められていました。
撮影・製作トータルアドバイザーの藤原さんは、「最初はどうなることかと思いましたが、いい方向に期待を裏切られて、演技も団結力もとても良かったです。生みの苦しみを経験して、自分たちが創ったと誇れるいい作品になると思います。撮影の要は、本物の虎舞の祭りを撮らせてもらったこと。会長をはじめ保存会の方々のご協力には頭が下がる思いです」と語っていました。
トラブルも大きなものはなく、無事4日間で撮り終えられた、と感無量の表情の松永監督。「事前に自分が狙ったことが全てではなく、例えば悪天候のために急遽変更したことで、むしろより意味を持つ映像が撮れるといったことが面白かったです。初日は雨で、翌日から晴れて、最終日にピーカンというのも晴夏の心象を表しているようでちょうど良かったです」。
「皆がいいものを創ろうとして、全部がいい方に向いた」と話し合い、大変だったけれどとても充実した4日間を思い返しました。
これから編集作業など別の大きな作業が待っているのでしょうが、きっといい映画に出来上がるに違いない!と期待感が膨らみます。
夜空には、中秋の名月が輝いていました。