第1回目の北杜「水の山」映像祭、大盛況で終了しました!

第1回目となる北杜「水の山」映像祭 in 2018が、7月1日に小淵沢町の女神の森 で開催されました。当初は来場数を心配していましたが、実際には820名を超える多くの方々に足を運んで頂きました。

例年であれば梅雨の時期ですが、今年はなんと6月中に梅雨が明け、天候にも恵まれた1日でした。

会場案内図です。(作成:Sakura Fantasmaさん)
出店してくれる店が当日までに少しずつ増えて、賑やかな会場となりました。

午前中はデコボーカル によるアニメーション制作のワークショップが開かれました。キャラクターの描き方からコマ撮りまでの全体的な説明があり、全員で拍手をしてBGM用の録音も行います。

自分で考えたキャラクターがジャンプする様子を、4枚の紙に描きました。色を塗り、背景まで描き込む人もいて、それぞれ熱中していたようです。

手を動かさないように気をつけて、描いた4枚を撮影!場所を少しずつ変えながら撮影することで、上映会場に到着するまでの楽しいアニメーションになりました。

森羅メインホールでは、日本アニメーション協会(JAA)の協力により、会員新作アニメーション「イントゥ・アニメーション7 」より数々の作品が上映されました。写真は司会の那波えり子さん(左)と、JAA 理事で「イントゥ・アニメーション7 」フェスティバルディレクターとして作品の紹介をして頂いた池田爆発郎さん(右)です。

言葉がそれほどなくても、それぞれの世界観が誰にでも伝わるのがアニメーションなのでしょうか。躍動感に溢れる画面に、会場が引き込まれていきます。
動きが美しく不思議で、万華鏡を眺めるように無心で見入ってしまう作品や、アニメーションならではの現実を超えた広がりのある作品、子どもも大人も声を出して笑ってしまう作品もありました。

今回、現代作家のさまざまな作品を大画面で味わうという濃密な時間を過ごし、アニメーション作品の独特の魅力、幅広さに気づき始めたという人が確実にいると思います。

お昼頃には特に、飲食の出店に多くの人が集まりました。「クオリティーが高い店が多い」「食べたいものがいろいろあり食べきれない!」「今度実際の店の方にも行こうと思った」という声が出ていました。

沙羅コミュニティーホールには、味のある革製品や手作りのアクセサリーの店、北杜特製かき氷のブースなどが並びました。午後には、ペッピーノ一座による人形劇の枠を超えたダイナミックなパフォーマンス「みどりのゆび」を多くの人が楽しみました。また、昆虫のプロ・オオムラサキセンターのスタッフとともに会場を囲む自然の魅力に触れるワークショップも大好評でした。

シナリオコンクールの受賞式では、受賞者たちが少し緊張気味に登壇しました。

佳作と北杜市民賞の受賞者には、ひまわり市場の協力による北杜市特産品セットが贈られ、盛りだくさんな中身を紹介する場面もありました。

そして、シナリオのことを知らない人でも楽しめるのが大前玲子先生の講評です。審査時のエピソードや、各作品のどんなところが素晴らしかったのか、そして佳作であればなぜグランプリにならなかったのかなどのポイントが、明確に、そして情熱的に語られました。

昨年の大前玲子シナリオ教室に参加したことで初めてシナリオを書き、受賞した方もいます。(シナリオ教室は今年も開催しますので、申込みがまだの方はお早めにご応募ください。→北杜「水の山」映像祭 大前玲子シナリオ教室参加応募フォーム

準グランプリに輝いた山下真弓さんは、「シナリオを書くことをやめたいと思った時が何度もあったが大前先生や周りに支えられました。これからも精進して皆さまの誇りになれるような活躍をしたい」と今後の意欲を語りました。

グランプリの有田哲也さんには、賞状とともに賞金50万円が手渡されました。有田さんは福岡在住で、今回の受賞を通じて既に何度も北杜に足を運ばれています。インターネット上で虎頭の舞の動画に出会い、これだと思ってシナリオに描いたエピソードなどを話してくれました。

監督としてグランプリ作の短編映画化を担う松永良平事業推進部長と、撮影・製作トータルアドバイザーの藤原秀雄さんが登壇し、「9月22日・23日の虎頭の舞のお祭りの頃にロケを行うので、特に市民にキャストや制作補助スタッフとして積極的に参加して頂きたい」との呼びかけがありました。
また、会場前では、受賞作品のシナリオをまとめた冊子が販売されました。

続いて、小・中学生部門の表彰も行われました。グランプリを受賞した持留光さんは、1歳の時に東京から北杜市に引っ越してきて、暮らしの中にいつも森があったそうです。

小さい頃から思っていたことをもとに作品づくりを始めたということで、幼少期から身近にあった清里周辺の森の動画を作ってきてくれました。
「皆同じ」とか、逆に「あの人とは違うから」というように括るのではなく、それぞれでいるとかグラデーションがあることに重きを置いている、と自身の思いを語ってくれました。

アニメーション化に当たっては、デコボーカル の二人と話をして、ホッとしたり驚いたり、楽しいいい経験ができたそうです。

デコボーカル は、原作をアニメーションという媒体に落とし込む際、持留さんとの会話の中で出た「相互のコミュニケーション」という言葉を重要視したそうです。自然と人間の対立を単に指摘するのではなく、そこから皆で変わろうという持留さんのメッセージを強く感じ、その世界観が伝わるよう努めたとのことです。
さらに、自然と人間はもちろん、陰と陽などすべての対となるものを意識して制作したこと、マイノリティーを排除せず、皆が優しい気持ちで観られる作品づくりを普段から心がけていることなどを語ってくれました。

アニメーションの声優として先日アフレコに参加してくれた市内のメンバーも登壇し、一言ずつ感想を述べました。

また、アニメーションの背景や音楽の担当者の紹介もありました。

ついに完成作の初上映です。
美しく、軽やかでいてとても深い内容で、制作に関わってきた人はもちろん、観客にさまざまなことを感じさせてくれたと思います。
(→予告編YOUTUBE

最後に、「イントゥ・アニメーション7」特濃セレクションの上映があり、映像祭の全行程が無事に終了しました。

ゼロから立ち上げた第1回目の映像祭。ここまで来るのにいろいろなことがありました。一般部門の上映がこの日に叶わず、変更もいろいろありましたが、こうして予想を上回る多くの方に来て頂いたこと、恵まれた自然と制作の楽しさを感じ、イベントとしてそれを少しでも共有できたことをスタッフ全員が喜びました。

今後の予定はHPでご確認ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アニメーションのアフレコ収録、楽しく終了しました!

6月9日にアニメーション作品「最後の森」のためのアフレコ収録が行われ、市内の学生を中心とした声優ボランティアスタッフが集まってくれました。

まず、アニメーション制作をしているデコボーカル の一瀬さんが、ストーリーやキャラクターの説明をします。

どんなお話かを知るのは、皆この日が初めて。かなり緊張しているようですね。

デコボーカル 作成のコンテを見ながら、セリフを追っていきます。

一瀬さんが描いたキャラクターの絵はどれも生き生きとしていて、おのおのの個性や互いの関係性、バックグラウンドなどが細かく練り上げられています。
この性格だからこういう見かけ、という通念のようなものに縛られないよう意識して描いているそうです。性別を超えたような魅力を感じます・・・!

「話を聞いてみたらどのキャラクターも魅力的なので、どの役でもいいと感じました」と、加藤葉月さん(写真右)。市内の高校の演劇部に所属しているそうです。

どの人の声がどのキャラクターに合うかを知るために、一人ずつセリフを読んでもらいます。

同じセリフを言っても、一人ひとり声質が異なっていてとても面白いです!

最年少の横山日和さん(写真中央)は、市内の小学6年生。可愛らしい声を披露してくれました。これは配役に悩みそうです。

休憩を挟み、配役が決定。細かい役も決めてボードにまとめていきます。

これから収録です。演劇経験者もいますが声優としては皆ビギナー。がんばるぞー!

スタジオに入って読み合わせを行います。阪野あおさん(写真中央)はいろんな役を担当してくれました。

サト役の高橋みずきさん。市内の短大生で、高校時代は演劇部に所属しておりやる気いっぱいです。緊張をほぐしていこう!

スタジオの外でデコボーカル の上甲さんが指示を出します。

甲州弁をナチュラルに話せる大人はいませんか?ということで、YBSの取材陣に急遽参加をお願いする場面も。

収録後半には、かなり打ち解けたムードになっていました。

ミツル役がとてもハマっていた中村奏さん(写真左)。市内の中学1年生です。

収録は大詰め。10分程度のアニメーションですが、声を分けて録ったり、やり直しがあったりで夕方まで頑張りました。

収録完了! お疲れさま、good job! のハイタッチ♫
「自分の声がアニメーションになるというのが不思議だけれど、完成が楽しみ」、「緊張したけどやりきった」などの感想がありました。
デコボーカル 一瀬さんも「初めてでも、こうしてとこちらが言うそれに応えてくれて、みんな表現者だな〜と思いました!」と楽しんでいた様子でした。

デコボーカル は、「最後の森」の原作者の持留光さんが伝えたかったメッセージを探り、それを反映させつつ、デコボーカル としてのオリジナリティーとコラボする形で、アニメーション作品として仕上げていくそうです。残された短かい期間で制作は大変だと思いますが、期待大!!です!

皆さん、完成作品を是非、会場に観に来てくださいね!

→映像祭参加応募フォーム

シナリオコンクール小・中学生部門グランプリを受賞した持留光さんは、昨年のシナリオ教室に参加されていました。(写真はその時のものです。)
今年の大前玲子シナリオ教室の募集も始まっています。
市内の小・中学生には、自分がお話を考える楽しさ、そしてそれがアニメーションになる面白さを是非味わってもらいたいです。

→シナリオ教室応募

 

 

 

 

 

日本アニメーション協会の秀逸な作品を多数上映します!

小・中学生部門のグランプリ作品「最後の森」のアニメーション化が、デコボーカルにより着々と進んでいます。

幻想的な北杜の森を思わせる素敵な絵コンテ。 ビデオコンテも作成し、それをもとに音楽家や美術のスタッフが制作に加わるそうで、6月9日にはアフレコを行います。完成が本当に楽しみです!!

 

このように制作真っ只中のデコボーカルですが、二人は日本アニメーション協会(JAA)の会員で、上甲さんは理事(監事)をされています。

JAAはアニメーションに携わるクリエーターの団体で、手塚治虫氏を初代会長として1978年に設立。会員は現在180名程で、個人作家が多いそうです。作品の内容は、NHK作品をはじめとする子ども向けのものから大人向けの大変個性的なものまでさまざまとのこと。

2017年8月の4日間、六本木の国立新美術館で開催されたJAAの上映イベント「Into Animation 7」のOFFICIAL GUIDEBOOKを少し見せてもらいました。本当に多種多様な作品が創られているようです!

JAAはアニメーション文化の普及を目指しており、この地域の人々にもアニメーションの魅力を知ってもらいたいという思いから、北杜「水の山」映像祭でのJAA作品の上映が実現することになりました!

会場は、女神の森「森羅」メインホールです。JAA「Into Animation 7」より、午前は”ファミリーセレクション”、午後は”特濃セレクション”として、日本の秀逸なアニメーションの数々を上映します。→プログラム

 

当日は、JAA理事 池田爆発郎氏のナビゲーショントークやデコボーカル のお二人を交えた解説もあります。
夏の高原の爽やかな会場で、アニメーションの多様な魅力に出逢い、堪能する時間はきっと素敵です!

映像祭の以下のフォームからぜひご応募ください。参加は無料です。「森羅」メインホールの席を確保させて頂きます。

→映像祭参加応募フォームはこちら

応募して頂いた方から抽選で20名に映像祭オリジナルTシャツ(只今制作中です)&ミズクマピンバッチをプレゼント! 当選者には、当日授賞式でプレゼントをお渡しします。お楽しみに♪

(応募〆切:6月25日)

 

 

一般一次、小・中受賞作発表!アニメーション制作へ

第1回北杜市シナリオコンクールの《一般部門》第一次審査通過作、そして《小・中学生部門》の受賞作が発表されました。
発表を心待ちにしていた皆さま、大変お待たせしました!

入賞作発表ページはこちら

数多くの応募作を時間をかけて読み込み、実行委員会と事務局メンバーが会議で検討を重ねた結果、《一般部門》は116作品が一次審査通過となりました。

《小・中学生部門》ではファンタジー作品が多く寄せられ、その中でグランプリに輝いたのが『最後の森』という作品です。
「世界観が素晴らしく、テーマもしっかりあって素晴らしい。オリジナリティがある内容で、シナリオとしてもよくできていました」と大前先生が話していました。

準グランプリに選ばれた『転校生と北杜の自然』は、子どもらしい発想でシナリオも頑張って書いてあり、『なかよしの石』はなかよしの石という発想自体が素敵な作品ということです。

《小・中学生部門》のグランプリ作品は、ファンタジーの要素を含んでおり、映像化はアニメーションで行うのが最適という結論に至り、→デコボーカル(上甲トモヨシさんと一瀬皓コさんによるアニメーション作家ユニット)に映像制作を依頼することになりました。

デコボーカルは、アニメーションやイラストレーションなどの作品を幅広く制作し、多くの賞を受賞している人気の作家夫婦です。子ども向け、大人向けのワークショップやパフォーマンスも開催し、多方面で活躍されています。

二人ともアニメーション作家ではありますが、上甲さんは特に編集やデジタル系、細かく根気のいる仕事が得意なのに対し、一瀬さんはデザインや演出、斬新なものを素早く生み出すことに長けているそう。
名前のとおり”デコボコ”なキャラクターが魅力的な面白い二人です。

身近でありながら様々なバリエーションに展開できるアニメーションに可能性を感じ、なるべく多くの人が楽しい気持ちで観ることができる作品、そして観た人の視野が広がるような作品づくりを大切にしているそうです。

一瀬さんは山梨県出身。八ヶ岳は二人とも以前から大好きな場所でよく訪れており、いつか住みたいと思うほどだそうです。

赤ちゃんと一緒に和やかに打ち合わせを進めつつ、さっそくいろいろな可能性を思い描いているプロフェッショナルな二人。今回のグランプリ作品を受け、どのようなアニメーション映像を生み出してくれるのかがとても楽しみです!!